睡眠負債が膨らむとどんな影響が現われるでしょうか?
脳や体がうまく働かないだけでなく、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の発症リスクが高まります。また、食欲を増進させるホルモンが増え、食欲を抑えるホルモンが減るため、過食による肥満を招きやすくなります。肥満に高血圧や糖尿病が重なれば、動脈硬化が進み、脳卒中や心疾患の危険が高まります。ほかにも、睡眠負債はうつ病や認知症のリスクにつながることが指摘されています。様々な危険因子が積み重なり、心身にもつらいダメージを与えます。歳を重ねると睡眠時間も短くなりますが、朝はっきりと目覚めて、日中を元気に過ごせていれば、5時間程度でも健康な睡眠といえるでしょう。大切なのは睡眠のとり方で、一日24時間の生活リズムの中で考える必要があります。成人の睡眠は一日一回が基本ですが、高齢になって生活リズムの軸だった仕事や家事から離れると、昼夜の生活のメリハリがなくなり、一日に何度もうたた寝をする「多相性睡眠」につながる心配があります。それが歳とともに習慣化すると、昼間も起きず、外出もしなくなるため、高齢期の健康維持に大切なコミュニケーションと集中力が失われていきます。気持ちも内向きになって脳も体も使われなくなるという悪循環になりやすくなりますので、そうした熟年世代特有の睡眠負債があることを知っておきましょう。
